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大阪府

古市古墳群とはどんな古墳か|誰の墓か・場所

古市古墳群  / フルイチコフングン

古墳群 4世紀5世紀6世紀

大阪府羽曳野市・藤井寺市に広がる、百舌鳥と対をなす世界文化遺産の古墳群。

古市古墳群とはどんな古墳か

古市古墳群はひとことで言えば百舌鳥古墳群と対になる古墳群です。2019年、百舌鳥古墳群とあわせて世界文化遺産に登録されました。

文化庁は史跡「古市古墳群」の所在地を藤井寺市古室・青山・藤ヶ丘・津堂・野中・藤井寺、羽曳野市誉田・軽里・白鳥とし、時代を4世紀後半から6世紀中葉としています。

最大は応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)の425メートル。世界遺産の公式サイトは、これを「日本第2位の墳丘長 体積では日本最大と言われる」と説明しています。長さでは大仙陵古墳に譲りますが、盛り土の量では日本一とされているわけです。

百舌鳥古墳群と違うのは、方墳が多いことです。大きな前方後円墳のそばに、四角い古墳が寄り添うように置かれています。

古市古墳群の読み方と別名

読みは「ふるいちこふんぐん」です。羽曳野市の古市という地名から来ています。

世界遺産としては「百舌鳥・古市古墳群」の名で登録されており、堺市の百舌鳥古墳群と一体です。古市古墳群だけで世界遺産になっているわけではありません。

古墳群の中の個々の古墳は、宮内庁の治定にもとづく名(応神天皇陵古墳)と、地名にもとづく名(誉田御廟山古墳)の両方で呼ばれます。

古市古墳群(ふるいちこふんぐん)

大阪府羽曳野市・藤井寺市にある古墳群の総称。

百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)

世界文化遺産としての登録名。

古市古墳群は誰の墓か

古市古墳群には、宮内庁が治定した陵墓がいくつも含まれます。応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)、仲哀天皇陵古墳、允恭天皇陵古墳、仲姫命陵古墳、白鳥陵古墳、雄略天皇陵古墳などです。

宮内庁は応神天皇の陵を惠我藻伏崗陵とし、所在地を大阪府羽曳野市誉田6丁目としています。

ただし、いずれの治定も発掘によって裏づけられたものではありません。藤井寺市が公開している古代史のコラムでも、応神天皇陵古墳が倭王讃の先王の墳墓の候補になる、という研究者の考察が紹介されるにとどまります。

治定を受けていない古墳、たとえば墓山古墳(225メートル)、津堂城山古墳(210メートル)の被葬者もわかっていません。墓山古墳は「応神天皇陵古墳の陪冢」として墳丘部が宮内庁の管理下にありますが、誰の墓かは決まっていません。

宮内庁の治定:応神天皇

陵形は前方後円、所在地は大阪府羽曳野市誉田6丁目とされる。

学術的な状況:確定していない

倭の五王との対応について、研究者の考察が紹介されるにとどまる。

古市古墳群の大きさと形

世界遺産の公式サイトが、構成資産の墳丘長を一覧で公表しています。

最大は応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)の425メートル。次いで仲姫命陵古墳290メートル、仲哀天皇陵古墳245メートル、允恭天皇陵古墳230メートル、墓山古墳225メートル、津堂城山古墳210メートル、白鳥陵古墳200メートルと続きます。

方墳も目立ちます。浄元寺山古墳67メートル、鍋塚古墳63メートル、東山古墳57メートル、中山塚古墳と八島塚古墳が各50メートル。百舌鳥古墳群では26メートル級だった方墳が、ここでは50メートルを超えます。

応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳):前方後円墳・425メートル(体積では日本最大と言われる)

仲姫命陵古墳:前方後円墳・290メートル

仲哀天皇陵古墳:前方後円墳・245メートル

墓山古墳:前方後円墳・225メートル

津堂城山古墳:前方後円墳・210メートル

浄元寺山古墳:方墳・67メートル

野中古墳:方墳・37メートル

古市古墳群はいつ作られたか

文化庁は史跡「古市古墳群」の時代を4世紀後半から6世紀中葉としています。

百舌鳥古墳群が4世紀後半から5世紀後半のおよそ100年に集中するのに対し、古市古墳群は6世紀の半ばまで造り続けられました。期間が長いぶん、形と大きさの移り変わりが追いやすい群です。

最初期にあたるのが津堂城山古墳(210メートル)で、群の北端に位置します。古墳が北から南へと造られていく流れが、地図の上で読み取れます。

古市古墳群の場所と行き方(観光情報)

短時間なら応神天皇陵古墳周辺、複数基を見るなら土師ノ里駅または古市駅を起点にするのが分かりやすい構成です。

古墳どうしは住宅地と道路を挟んで分散しているため、現地の案内板と公式周遊地図を併用してください。

古市古墳群(応神天皇陵古墳を中心とする一帯)

地図で開く

古市古墳群(応神天皇陵古墳を中心とする一帯)の住所:大阪府藤井寺市古室・青山・藤ヶ丘・津堂・野中・藤井寺、羽曳野市誉田・軽里・白鳥

交通:応神天皇陵古墳へは近鉄古市駅から北西へ約700メートル。古墳群全体は藤井寺駅・土師ノ里駅・道明寺駅・古市駅を起点に分けて歩く

駐車場:古墳群全体の専用駐車場はない。応神天皇陵古墳周辺は羽曳野市役所駐車場または近隣の有料駐車場を利用

料金:公道や公開されている史跡の散策は無料。資料館・企画公開などは各施設の案内を確認

内部見学:宮内庁管理の陵墓は墳丘へ入れない。古室山古墳や津堂城山古墳など、公開・整備された史跡は現地表示に従って見学できる

古市古墳群は一か所の公園ではなく、藤井寺市と羽曳野市の市街地に分散しています。

応神天皇陵古墳だけを見る場合と、土師ノ里駅から藤井寺市側の構成資産を歩く場合では最寄り駅が異なります。行き先の古墳を先に決め、両市の公式アクセス案内で経路と駐車場所を確認してください。

古市古墳群の発見と調査の歩み

  1. 大墳と中小墳 ─ 群として見える社会構造
  2. 墳丘長425メートル ─ 「大きさ」の順位は測り方で変わる
  3. 見学できる範囲 ─ 陵墓と公開史跡を分ける

大墳と中小墳 ─ 群として見える社会構造

古市古墳群には、巨大な前方後円墳だけでなく、方墳・円墳・帆立貝形墳が組み合わさって残ります。

文化庁の世界遺産データベースは、墳墓の規模と形の違いが当時の政治・社会構造を表す点を、この資産の価値として挙げています。つまり一基だけの大きさではなく、大小の古墳がどのように配置されたかが重要です。

陪冢とされる古墳もありますが、すべての中小墳について被葬者と主墳との関係が確定しているわけではありません。大きさの序列は見えても、葬られた人物の氏名までは分からないという線引きが必要です。

墳丘長425メートル ─ 「大きさ」の順位は測り方で変わる

羽曳野市の古墳一覧は、応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)の墳丘長を425メートルとしています。墳丘長では大仙陵古墳に次ぐ規模です。

藤井寺市の公式散策案内では、体積は全国第一位と紹介されています。ただし、墳丘長、盛土の体積、濠を含む陵域面積は別の指標です。

「日本最大」という語だけを切り出さず、何を測った順位かを併記することで、数字の意味が明確になります。

見学できる範囲 ─ 陵墓と公開史跡を分ける

古市古墳群には、宮内庁が陵墓として管理する古墳と、自治体が史跡として整備・公開する古墳があります。

応神天皇陵古墳などは拝所や外周から見るのが基本です。一方、古室山古墳や津堂城山古墳などは、現地の公開範囲で墳丘の形や周濠との関係を近くから確かめられます。

世界遺産の構成資産でも立入条件は一律ではありません。 現地の柵・標識・最新の自治体案内を優先し、非公開部分へ入らないことが前提です。

古市古墳群から出土したもの

宮内庁が管理する古墳は発掘できません。そのため出土品の情報は、津堂城山古墳や野中古墳など、治定を受けていない古墳に偏っています。

藤井寺市・羽曳野市の資料館で、群から出た品を見ることができます。

埴輪

各古墳から円筒埴輪・形象埴輪が出土している。

水鳥形埴輪

津堂城山古墳から出土した大型の水鳥形埴輪が知られる。

鉄製品

野中古墳からは多量の甲冑・武器が出土したことで知られる。

古市古墳群と関連する古墳

古市古墳群についてよくある質問

古市古墳群はどこにありますか。

大阪府藤井寺市と羽曳野市にまたがります。文化庁は所在地を藤井寺市古室・青山・藤ヶ丘・津堂・野中・藤井寺、羽曳野市誉田・軽里・白鳥としています。

古市古墳群でいちばん大きい古墳はどれですか。

応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)で、墳丘長425メートルです。日本では第2位ですが、体積では日本最大と言われています。

古市古墳群と百舌鳥古墳群はどう違いますか。

所在地が違います。古市古墳群は羽曳野市・藤井寺市、百舌鳥古墳群は堺市です。古市古墳群のほうが造られた期間が長く、6世紀中葉まで続きます。方墳が多いことも特徴です。

古市古墳群の古墳に登れますか。

宮内庁が陵墓として管理する古墳には入れません。津堂城山古墳など、国史跡として整備された古墳は墳丘に登ることができます。

古市古墳群はいつ作られましたか。

文化庁は4世紀後半から6世紀中葉としています。

古市古墳群と併せて覚えたい言葉・用語

陪冢(ばいちょう)

大きな古墳に従うように造られた小さな古墳。宮内庁は陪冢として管理する古墳を定めている。

史跡(しせき)

歴史上の価値が高い土地として国が指定したもの。

墳丘長(ふんきゅうちょう)

古墳の盛り土の長さ。濠は含めない。大きさの順位はこの値で比べることが多い。

段丘(だんきゅう)

川がつくった階段状の地形。古墳はその縁に築かれることが多い。

古市古墳群の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 文化庁 国指定文化財等データベース「古市古墳群」
  2. 文化庁 世界遺産データベース「百舌鳥・古市古墳群」
  3. 藤井寺市「古市古墳群へのアクセス」
  4. 羽曳野市「古市古墳群を訪ねる(交通アクセス)」
  5. 羽曳野市「古市古墳群一覧表」