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岡山県

作山古墳(岡山県総社市)とはどんな古墳か|誰の墓か・場所

作山古墳(岡山県総社市)  / サクザンコフン

前方後円墳 5世紀

全長約282メートル。岡山県で二番目、全国でも十指に入る大きさ。

作山古墳とはどんな古墳か

作山古墳はひとことで言えば吉備で二番目に大きい前方後円墳です。岡山県総社市三須にあり、独立した低い丘陵を削って形づくられています。

総社市はこう書いています。

作山古墳は、全国第10位、岡山県下第2位の規模を誇る前方後円墳で、岡山市の造山古墳(全国第4位、岡山県下最大)に次いで、5世紀中ごろに築造されたものです

大きさは全長約282メートル、後円部長約175メートル・高さ約24メートル、前方部前面幅約170メートル・高さ約23メートル。丘陵を三段に整形加工した墳丘は、いまは草と木に覆われて一見山にしか見えません。しかし築造当時は、平らな面に5千本以上の埴輪が立て並べられ、斜面には石が敷き詰められていました。

天皇の墓とされていないため、中に立ち入って見学できる古墳です。

作山古墳の読み方と別名

本来の読みは「つくりやまこふん」です。ところが、東にある岡山市の造山古墳も「つくりやまこふん」と読みます。同じ吉備に、読みがまったく同じ巨大古墳が二つ並んでいます。

そのため話し言葉では、作山を「さくざん」、造山を「ぞうざん」と読み分けることがあります。

作山古墳(つくりやまこふん)

総社市と文化庁が用いる名。文化庁の登録は「作山古墳 第一古墳」で、ふりがなは つくりやまこふんだいいちこふん。

作山古墳(さくざんこふん)

岡山市の造山古墳と読みが同じため、区別するために「さくざん」と読み分けられることがある。

三須作山古墳(みすつくりやまこふん)

所在地の三須(みす)を冠した呼び方。

作山古墳は誰の墓か

作山古墳の被葬者はわかっていません。宮内庁の治定もありません。国の史跡として総社市が扱っています。

岡山県は「5世紀中頃に築造された吉備の大首長の墓と考えられています」としています。総社市も「自然の景観の中にある巨大なモニュメントは、吉備の大首長の権力を誇示したものと思われます」と書いています。

総社市は、この古墳の形についても踏み込んだ見方を示します。後円部は正円ではなくだ円形で、前方部にも台形状の突出がみられ、前方部の前面には丘陵の一部が取り除かれないまま残されている、と。そのうえでこう続けます。

作山古墳に葬られた吉備の首長は、畿内の大王ほど、古墳築造にかける余力がなかったのではないでしょうか

大きさは全国十指に入るのに、つくりは整っていない。そのねじれから、被葬者の立場が読み取られています。

学術的な見方のひとつ:吉備の大首長

5世紀中頃に築造された吉備の大首長の墓と考えられている、とする。

公式の説明:わかっていない

吉備の首長の権力を誇示したものと思われるとするが、人物の比定はない。

公式の説明:天皇の墓ではない

造山・作山の両古墳は天皇の墓とされていないため、中に立ち入ることができるとする。

作山古墳の大きさと形

総社市は、大きさをこう示しています。全長約282メートル、後円部長約175メートル・高さ約24メートル、前方部前面幅約170メートル・高さ約23メートル。

一方、岡山県は「全長286メートルの前方後円墳で、県下では造山古墳に次いで大きく、全国でも9番目に大きな古墳です」としています。堺市がまとめた古墳大きさランキングでも、作山古墳は286メートルで全国第10位に置かれています。

282メートルと286メートル、全国9位と10位。公式の資料のあいだで数字も順位も割れています。総社市の約282メートルは近年の測量調査を反映した値、286メートルは航空測量図にもとづく従来の値とみられます。

全長(総社市):約282メートル

全長(岡山県):286メートル

後円部の長さ:約175メートル

後円部の高さ:約24メートル

前方部前面の幅:約170メートル

前方部の高さ:約23メートル

全国での順位:第10位・286メートル(堺市の一覧)

作山古墳はいつ作られたか

総社市は「岡山市の造山古墳に次いで、5世紀中ごろに築造されたものです」としています。岡山県も同じく5世紀中頃としています。

先に築かれた造山古墳について、岡山県は5世紀前半、全長360メートルとし、全国でも4番目に大きな古墳としています。堺市のランキングでは造山古墳は350メートルで全国第4位です。ここでも数字は割れています。

5世紀の前半から中ごろは、大阪平野で大仙陵古墳(486メートル)や誉田御廟山古墳(425メートル)が築かれていた時期にあたります。吉備では、まず造山古墳、続いて作山古墳。順に規模が小さくなっていく系譜のなかにあります。

作山古墳の場所と行き方(観光情報)

作山古墳の周辺は、岡山県が管理する吉備路風土記の丘県立自然公園です。備中国分寺跡、備中国分尼寺跡、こうもり塚古墳造山古墳が同じ区域にあります。

岡山県は、吉備路自転車道が整備されており、レンタサイクルで風景を楽しめるとしています。総社市スポーツセンターから岡山市の岡山県総合グラウンドまで約21キロメートルの道です。

作山古墳

地図で開く

作山古墳の住所:総社市三須

交通:公式に確認できませんでした

駐車場:公式に確認できませんでした

料金:公式に確認できませんでした

内部見学:立ち入って見学できる(総社市は、中に立ち入ることができる最大の古墳としている)

総社市は所在地を総社市三須としています。文化庁の登録も同じく総社市三須です。

総社市はこう書いています。

造山・作山の両古墳は天皇の墓とされていないため、中に立ち入ることができる最大の古墳です

墳丘に登れる古墳です。宮内庁が管理する陵墓では、これができません。

最寄りの駅、バス、駐車場、料金については、公式の記載を確かめられませんでした。

作山古墳の発見と調査の歩み

  1. 登れる古墳としては、全国で最大級
  2. 五千本の埴輪と、敷き詰められた石
  3. 整っていない巨大古墳

登れる古墳としては、全国で最大級

日本で最も大きい古墳は堺市の大仙陵古墳で、墳丘の長さは486メートルです。しかし、そこへ登ることはできません。宮内庁が陵墓として管理しているためです。

総社市はこう書いています。

造山・作山の両古墳は天皇の墓とされていないため、中に立ち入ることができる最大の古墳です

岡山県も、造山古墳について「自由に墳丘に立ち入って見学できる古墳としては最大です」としています。

大きさで一位の古墳には登れず、登れる古墳の一位が吉備にある。

五千本の埴輪と、敷き詰められた石

いまの作山古墳は、緑に覆われた小山に見えます。しかし総社市は、築造当時の姿をこう説明しています。

築造当時は平らな面に5千本以上もの埴輪(はにわ)が立て並べられ、斜面には石が敷き詰められていました

5千本以上の埴輪。三段に整形された墳丘の、それぞれの平らな面に並べられていました。斜面は石で覆われ、日を浴びて白く光ったはずです。

土の山ではなく、白と赤褐色の人工物だった。

整っていない巨大古墳

全国で十指に入る大きさでありながら、作山古墳のつくりは整っていません。総社市はこう記しています。

しかしながら、作山古墳は畿内の大王墓と異なり、後円部は正円ではなくだ円形で、前方部も台形状の突出がみられるなど、不整な形態をしています

大きさは足りていて、精度が足りていない。同じ吉備でも、先行する造山古墳は全長360メートル、後続のこうもり塚古墳は6世紀後半に全長100メートルへ縮みます。作山古墳は、吉備の勢力が畿内と張り合った最後の時期にあたります。

作山古墳から出土したもの

作山古墳は、本格的な発掘調査が行われていません。埋葬施設も副葬品も明らかにされていないままです。

公表されているのは、墳丘の外側の姿だけです。5千本以上の埴輪と、斜面を覆う石。それが確かめられている全部です。総社市は、史跡作山古墳の調査活用事業を進めています。

円筒埴輪

築造当時、平らな面に5千本以上の埴輪が立て並べられていたとされる。

葺石

斜面に石が敷き詰められていた。角ばった石が使われている。

埋葬施設

明らかにされていない。本格的な発掘調査が行われておらず、中身はわかっていない。

残丘

前方部の前面に、元の丘陵の一部が削り残されている。大正10年の指定では第一古墳とされた。

作山古墳と関連する古墳

作山古墳についてよくある質問

作山古墳は誰の墓ですか。

わかっていません。宮内庁の治定もありません。岡山県は5世紀中頃に築造された吉備の大首長の墓と考えられているとしていますが、人物の名は示されていません。

作山古墳の大きさはどれくらいですか。

総社市は全長約282メートル、後円部長約175メートル・高さ約24メートル、前方部前面幅約170メートルとしています。岡山県は全長286メートルとしています。

作山古墳はどこにありますか。

岡山県総社市三須です。周辺は吉備路風土記の丘県立自然公園として整備されており、備中国分寺跡やこうもり塚古墳が近くにあります。

作山古墳はいつ作られましたか。

総社市も岡山県も5世紀中ごろとしています。岡山市の造山古墳(5世紀前半)に次いで築造されたものです。

作山古墳の中に入れますか。

総社市は、造山古墳と作山古墳を、中に立ち入ることができる最大の古墳としています。ただし駐車場や見学時間についての記載は確かめられませんでした。

作山古墳と併せて覚えたい言葉・用語

造出(つくりだし)

墳丘から張り出した平らな壇。作山古墳では北側に二つ並ぶ珍しい形をとる。

残丘(ざんきゅう)

古墳を造るときに削り残された、元の丘陵の一部。作山古墳の前方部前面に残る。

吉備(きび)

いまの岡山県と広島県東部にあたる古い国の名。巨大古墳が集まる。

朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)

口が開いた形の埴輪。円筒埴輪の列に混ぜて立てられた。

作山古墳の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 岡山県
  2. 総社市
  3. 堺市