本文へ移動

円墳一覧|日本最大の円墳と、円墳と方墳のちがい

円墳は、日本でいちばん数が多い古墳です。

数が多いのは、小さく作れるから。

直径十メートルに満たないものが各地に無数にあります。ところが大きくなると話が変わり、日本最大の円墳は直径109メートルに達します

壁画で知られるキトラ古墳高松塚古墳も、この形です。

このページでは、収録している円墳を横に並べて比べます。

円墳とは|方墳とのちがい

上から見て円い墳丘の古墳です。もっとも単純な形で、もっとも数が多い形でもあります。

方墳との違いは、形だけではありません。

円墳は全国に広く、方墳は数が限られる。

「円墳は格が低い」と言い切ることはできません。 直径100メートルを超える円墳は、中規模の前方後円墳を上回る労力を必要とします。

大きな違いは時期と分布にあります。

円墳は古墳時代を通じて全国で作られ続けた。

方墳は終末期に大王級のものが現れますが、円墳は前期から終末期まで、どの時代にもあります。群集墳と呼ばれる小型の古墳の集まりは、そのほとんどが円墳です。

日本最大の円墳|富雄丸山古墳と丸墓山古墳 4基

富雄丸山古墳(奈良県奈良市)は直径109メートル。日本最大の円墳です。

国内最古最大の蛇行剣が出た。

長さ2メートルを超える蛇行剣と、類例のない盾形銅鏡が同時に見つかりました。円墳から出たものとしては、けたはずれの副葬品です。

丸墓山古墳(埼玉県行田市)は直径105メートル。日本最大級の円墳で、

石田三成が忍城攻めの陣を張ったと伝わる。

墳頂まで登れ、そこから埼玉古墳群の大型古墳を見わたせます。

茶すり山古墳(兵庫県朝来市)は直径約90メートルで、近畿地方で最大規模とされる円墳。私市円山古墳(京都府綾部市)は直径約70メートルで京都府内最大、復元されて公園になっています。

ここが円墳の面白いところです。 日本最大級の円墳は、近畿の中心ではなく、その周辺と関東に多くあります

壁画のある円墳|キトラと高松塚 5基

日本を代表する壁画古墳は、二つとも円墳です。

高松塚古墳(奈良県明日香村)は、日本で最初に見つかった極彩色の壁画古墳です。文化庁は1972年3月21日の発見をそう記しています。二段築成の円墳で、奈良県は下段の直径を約23メートル、上段を約17.7メートルとしています。

キトラ古墳(同)には、

四神と十二支、そして東アジア最古級の天文図が描かれている。

奈良県は墳丘を、下段の直径13.8メートル・上段9.4メートル・高さ3.3メートルの二段築成の円墳としています。石室の内寸は長さ2.4メートル・幅1.04メートル・高さ1.14メートル。人ひとりが横たわる大きさです。

大きさと中身は比例しません

九州にも壁画の円墳があります。竹原古墳(福岡県宮若市)は龍と馬と波を赤と黒で描き、大陸の影響がはっきり見えます。五郎山古墳(福岡県筑紫野市)は赤・緑・黒の三色で人や舟や馬を描いた具象画の装飾古墳です。

葉佐池古墳(愛媛県松山市)は盗掘を受けておらず、葬られたときの様子がそのまま出ました。

未盗掘の円墳|藤ノ木古墳 3基

藤ノ木古墳(奈良県斑鳩町)は、円墳の価値をはっきり示した一基です。6世紀後半に造られた直径50メートル以上の円墳で、法隆寺の西方約350メートルにあります。

未盗掘の家形石棺に、二人が眠っていた。

金銅製の馬具が出土し、出土品は一括して国宝に指定されました。古墳の出土品がまとめて国宝になる例は多くありません。

ばらばらの名品ではなく、ひとつの埋葬のまとまりとして値打ちがある。

王墓山古墳(岡山県岡山市)は石室こそ失われていますが、貝殻石灰岩の家形石棺が残ります。

金山古墳(大阪府河南町)は、形そのものが変わっています。

円を二つつないだ双円墳。周濠を残す全国唯一の例とされる。

円墳といっても、一つの円とは限りません。 日本の古墳の形は、教科書に載る四種類だけではありません。前方後円墳・前方後方墳・円墳・方墳という区分に収まらないものが、実際にはいくつもあります。

円墳を大きさの順に並べる

収録している円墳を、直径の順に並べます。

古墳所在直径特徴
富雄丸山古墳奈良県奈良市109メートル日本最大の円墳。蛇行剣が出土
丸墓山古墳埼玉県行田市105メートル石田三成が陣を張ったと伝わる
茶すり山古墳兵庫県朝来市約90メートル近畿で最大規模
私市円山古墳京都府綾部市約70メートル京都府内で最大。復元済み
藤ノ木古墳奈良県斑鳩町50メートル以上未盗掘。出土品は一括して国宝
高松塚古墳奈良県明日香村約23メートル(下段)極彩色壁画。二段築成
キトラ古墳奈良県明日香村13.8メートル(下段)四神と天文図。二段築成

並べると、大きさと中身がまったく比例しないとわかります。

日本最大級の円墳より、下段の直径が13.8メートルのキトラ古墳のほうが有名。

残っているものが何かで、古墳の値打ちは変わります。壁画があれば小さくても国の宝になり、盗掘されていれば大きくても中身は分かりません。

もうひとつ。日本最大級の円墳は近畿の中心から外れた場所にあります。富雄丸山古墳は奈良市の西部、丸墓山古墳は埼玉県、茶すり山古墳は兵庫県北部です。

中心では前方後円墳、周辺では大きな円墳。

中央が前方後円墳を独占していたためとする見方が示されていますが、円墳を選んだ理由が確かめられているわけではありません。

円墳についてよくある質問

日本でいちばん大きい円墳はどれですか。

奈良県奈良市の富雄丸山古墳で、直径109メートルです。国内最古最大とされる蛇行剣と、類例のない盾形銅鏡が出土しました。

円墳と方墳の違いは何ですか。

上から見た形が円いか四角いかの違いです。円墳は古墳時代を通じて全国で作られ続け、数がもっとも多い形です。方墳は数が限られ、終末期に大王級のものが現れます。

キトラ古墳と高松塚古墳は何という形ですか。

どちらも二段築成の円墳です。奈良県は高松塚古墳の下段の直径を約23メートル、キトラ古墳の下段を13.8メートルとしています。いずれも小さな円墳ですが、壁画で知られています。

円墳は格が低いのですか。

そう言い切ることはできません。直径100メートルを超える円墳は中規模の前方後円墳を上回る労力を必要とし、富雄丸山古墳のようにけたはずれの副葬品を持つものもあります。

円が二つつながった古墳があるそうですが。

大阪府河南町の金山古墳です。双円墳と呼ばれ、周濠を残す全国唯一の例とされます。古墳の形は教科書に載る四種類だけではありません。

円墳の一覧(収録しているすべての古墳) 24基

本文で取り上げなかったものも含めて、この形に属する古墳をすべて並べています。名前を押すと個別ページへ移ります。

ほかの形で見る