古墳群一覧|世界遺産の古墳群と、群集墳とのちがい
古墳は、一基だけで立っていることのほうが少ない遺跡です。
同じ場所に、何十基も何百基も並んでいる。
世界文化遺産になった百舌鳥・古市はその代表ですが、300余基が台地に残る西都原、400基以上の積石塚が並ぶ大室のように、数で圧倒する古墳群もあります。
このページでは、収録している古墳群を横に並べて比べます。
古墳群とは|群集墳とのちがい
世界文化遺産の古墳群|百舌鳥と古市 2基
百舌鳥古墳群(大阪府堺市)と古市古墳群(大阪府羽曳野市・藤井寺市)は、2019年に世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」となりました。
二つの古墳群が、対をなす形で登録されている。
百舌鳥には日本最大の大仙陵古墳が、古市には体積で日本最大の誉田御廟山古墳があります。長さの第1位と体積の第1位が、別々の古墳群に分かれています。
二つの古墳群は直線で約10キロ離れています。同じ時期に並行して築かれた時期があり、
なぜ二か所に分かれたのかは、決着していない。
世界遺産の構成資産は49件で、そのすべてが公開されているわけではありません。宮内庁が管理する陵墓は、濠の外から見るだけになります。
「大きい古墳ほど近づける」わけではありません。 むしろ大きいものほど陵墓に指定され、立ち入れない傾向があります。
数で圧倒する古墳群|西都原と大室 4基
西都原古墳群(宮崎県西都市)は、台地に300余基が残る特別史跡です。
古墳のある風景が、そのまま残っている。
市街地に飲み込まれた古墳群が多いなかで、周囲の景観ごと残っている点が際立ちます。
大室古墳群(長野県長野市)は、性格がまったく違います。
石を積んで築いた墓が四〇〇基以上。日本最大の積石塚古墳群。
土を盛るのではなく、石を積み上げて築かれています。渡来した人々との関わりを指摘する説がありますが、確かめられてはいません。
新沢千塚古墳群(奈良県橿原市)は径10メートル級の古墳が並ぶ大群集墳で、ペルシャや中国の品が出土しました。
志段味古墳群(愛知県名古屋市)は66基が残り、歴史の里として整備されています。大都市のなかに古墳群が残った数少ない例です。
大型古墳が並ぶ古墳群|埼玉と生目 6基
埼玉古墳群(埼玉県行田市)は、大型古墳9基が並ぶ埼玉県で初の特別史跡です。
115文字の金錯銘鉄剣を出した稲荷山古墳を含む。
代を重ねた首長の墓が、順に並んでいると考えられています。日本最大級の円墳である丸墓山古墳も、この古墳群にあります。
生目古墳群(宮崎県宮崎市)は、100メートルを超える前方後円墳が3基。古墳時代前期の九州最大級です。
長柄桜山古墳群(神奈川県逗子市・葉山町)は、
1999年に見つかった。
新しい発見が今も続いています。 神奈川県で最大級の前方後円墳2基が、二十世紀の終わりになって確認されました。
龍角寺古墳群(千葉県栄町)は貝の化石を切り出して石室を築いた古墳群、野古墳群(岐阜県大野町)は柿畑と水田の中に前方後円墳が並びます。大安場古墳(福島県郡山市)は東北地方で最大の前方後方墳を含みます。
古墳群を性格ごとに並べる
同じ「群」でも、成り立ちが違います。
| 古墳群 | 所在 | 基数・規模 | 性格 |
|---|---|---|---|
| 百舌鳥古墳群 | 大阪府堺市 | 大仙陵古墳を含む | 世界文化遺産。大王級が並ぶ |
| 古市古墳群 | 大阪府羽曳野市ほか | 誉田御廟山古墳を含む | 世界文化遺産。百舌鳥と対をなす |
| 西都原古墳群 | 宮崎県西都市 | 300余基 | 特別史跡。景観ごと残る |
| 大室古墳群 | 長野県長野市 | 400基以上 | 日本最大の積石塚古墳群 |
| 埼玉古墳群 | 埼玉県行田市 | 大型9基 | 特別史跡。鉄剣を出土 |
| 新沢千塚古墳群 | 奈良県橿原市 | 径10メートル級が密集 | 群集墳。西方の品が出土 |
| 志段味古墳群 | 愛知県名古屋市 | 66基 | 大都市に残った古墳群 |
並べると、古墳群には二つの型があるとわかります。
代を重ねて並んだ群と、大勢が短期間に築いた群。
埼玉古墳群と生目古墳群は前者で、一族の代替わりが墳丘の並びとして残っています。新沢千塚古墳群と大室古墳群は後者で、大きさのそろった小型墳が密集します。
大きさのばらつきを見れば、どちらの型かが分かります。
もうひとつ、残った理由も古墳群ごとに違います。西都原は台地が開発されなかったから、志段味は市が保存に踏み切ったから、長柄桜山は1999年まで気づかれなかったからです。
残っている古墳群は、残す判断があった場所である。
いたすけ古墳のように、市民運動が破壊から救った例もあります。
古墳群についてよくある質問
古墳群と群集墳の違いは何ですか。
古墳群はまとまって残る古墳の総称で、大小を問いません。群集墳は小型の古墳が短期間に密集して築かれたものを指し、古墳時代後期に築造が広い層へ広がった結果と説明されます。
世界遺産になった古墳群はどこですか。
大阪府の百舌鳥古墳群と古市古墳群です。2019年に「百舌鳥・古市古墳群」として世界文化遺産に登録され、構成資産は49件です。
いちばん基数の多い古墳群はどこですか。
この図鑑の収録では、石を積んで築いた墓が400基以上ある長野県の大室古墳群が最多です。日本最大の積石塚古墳群とされます。宮崎県の西都原古墳群には300余基が残ります。
古墳群の中に入れますか。
古墳群によります。西都原、志段味、埼玉は整備されて歩けますが、宮内庁が陵墓として管理する古墳は濠の外から見るだけになります。大きい古墳ほど立ち入れない傾向があります。
今も新しい古墳群は見つかっていますか。
見つかっています。神奈川県の長柄桜山古墳群は1999年に確認されたもので、県内最大級の前方後円墳2基が二十世紀の終わりになって分かりました。
古墳群の一覧(収録しているすべての古墳) 27基
本文で取り上げなかったものも含めて、この形に属する古墳をすべて並べています。名前を押すと個別ページへ移ります。